イケメン侯爵様とお試し結婚!?
「・・・寝られるわけないじゃない」
余計なお世話かもしれないけれど、ラフィアの恋を何とか叶えてあげたい。
叶う事はないと諦めて、でも心の中ではずっとお父様を想っていて。
これからもそうやって生きていくの?
「そんなの・・・辛すぎる」
お母様が亡くなってもう17年。
お母様と過ごした日々を忘れる事は出来ないし、忘れて欲しくない。
けれど、新たな一歩を踏み出したって何も問題ないわ。
その一歩をお父様とラフィアで一緒に歩む事が出来るのなら・・・。
がばっと寝台から起き上がると、アマルダはランプを手にとって部屋を出て行きます。
行き先は伯爵様の部屋。
大分闇も深くなり、伯爵様も寝ていると頭の中ではわかっていましたが、それでもアマルダは行動せずにはいられなかったのです。