イケメン侯爵様とお試し結婚!?

「お父様・・・」

アマルダが声を掛けると、伯爵様は少し驚いたような表情を浮べ、アマルダの方を向きました。

「・・・おお、アマルダか。まだ寝ていなかったのか?」
「ちょっと眠れなくて・・・。お父様こそ何をしていたの?」
「母さんに報告していたんだ。アマルダが結婚するよ、ってな」

そう言うと、伯爵様はまた肖像画の方を向きました。

亡くなってからも、生きていた時と変わらずそのままにされた部屋。
近くでお母様を感じられる部屋。
お父様はいつもこうやってお母様を想っていたのかしら・・・。
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