イケメン侯爵様とお試し結婚!?
「・・・お父様は再婚しないの?」
「再婚?・・・昔は色々と話はあったがな。もう私もいい歳でそんな話も無くなったよ。まぁその前に私は母さん1人でいい。そう思っている」
「・・・そうなの。寂しくない?これから1人って」
「寂しくない、と言えば嘘にはなるが・・。仕方がないよ」
切ない笑みを浮かべる伯爵様。
その笑みにアマルダの心が締め付けられます。
「お母様はお父様の幸せを、空の上から願っていると思うわ。もう意地を張らないで、新しい一歩を踏み出すべきだと思うわ」
「・・・そう、思ってくれているかね?」
「思っているわ。だって、お母様は生きている間にお父様からいっぱいの幸せを貰ったんだもの。もちろん私達娘もね。でもこれからはお父様の番。お父様が幸せにならなくちゃ」
そう言って、アマルダは伯爵様に笑みを見せました。
その笑みは、肖像画のお母様にそっくりな笑顔。
伯爵様はまるで奥様と話をしているような感覚になります。