イケメン侯爵様とお試し結婚!?
・・・なんてこった。全く動じていない。
嫌がるどころか、ノリノリじゃない・・・。
どうして・・・どうしてこうなった・・・。
アマルダはがっくりと肩を落としました。
どうせ断るだろうと、相手が断らない時の対処を全く考えていませんでした。
予想だにしない状況に頭が全く働かないアマルダです。
「・・あの、私、結婚したくないんですけど・・・」
その言葉に、ヴァン様は顔色一つ変えずに答えます。
「どうして?私と結婚したら何不自由なく暮らせますよ?」
「そういうのが嫌なんですよ、ホント。しかもその言い方だと愛のない結婚みたいじゃないですか。好きでもない人と結婚したいとは思いません」
アマルダは正していた姿勢を崩し、椅子の背もたれに寄りかかりながら、わざと態度を悪く見せます。
もはやいい方法が思いつかないアマルダにとって、苦肉の策。
目上の人に対して、失礼な格好で話をすれば相手は嫌がるだろう、そう思ったのです。