イケメン侯爵様とお試し結婚!?
「お父様、その方にこの姿を絵に描いて送って下さらない?そうしたら、その方も諦めてくれるでしょう?こんな汚れたそばかすだらけの行き遅れた令嬢なんて、誰も相手にしないって」
アマルダは伯爵様に対して、手をひらひらとさせながら答えました。
「何を言っているんだアマルダ!今の今までしょうがなく見過ごしてきたが、今回ばかりは譲れんぞ!お前は結婚するんだっ」
「お断り。そんなに私がこの屋敷にいるのが嫌なのなら出て行くわ、お父様」
笑顔で答えていたアマルダの顔が、一瞬で怖い表情に変わります。
「もういい!お前の戯言など聞かん!!いいかアマルダ、お前は伯爵令嬢なのだぞ?お前の仕事は畑仕事をしたり、馬を乗りこなす事じゃない。いい家に嫁ぎ、そこの婦人として屋敷を守っていくのが仕事だ。姉のリリアを見ろ!それはもう・・・」
「お姉さまの話はよして。お姉さまが由緒ある公爵家に嫁いだだけでも、良かったじゃないの」
「うるさい!この話は進めるからな、アマルダ!」
そう言うと、伯爵様はお怒りのまま屋敷へと戻られました。