イケメン侯爵様とお試し結婚!?
「今日も精が出ますね、アマルダ」
いつものように泥だらけになって畑仕事をしていると、ヴァン様がやって来ました。
気付けば陽は傾いて、山の向こうでオレンジ色に輝いています。
「あらっ、もうこんな時間。お帰りなさいヴァン様。今日は新しい作物とこの野菜の収穫をしていたの」
アマルダは立ち上がると、かごを手に持ってヴァン様のいる場所へと駆け寄りました。
ヴァン様に見せたのはかごいっぱいに収穫された野菜。
「おお、ヴァンか!仕事終わったのか?いやいや、アマルダはよく働いてくれるよ、凄く助かってるんだ」
「そうですか。楽しそうですね」
「ええ!ウオルトさんの野菜の育て方が凄いのよ!本当勉強になるわ」
キラキラと瞳を輝かせて笑うアマルダに、ヴァン様は眉を少し寄せながら笑い、複雑な表情を浮かべます。
「なんか、妬けますね・・・・」
「え?焼ける?この野菜は焼いても美味しいんですよ!」
「・・・・そういう意味じゃないんですが・・・」
惚けた返しに苦笑いをするヴァン様。
あれ?なんかおかしいの?
と、アマルダは全く意味をわかっていない様子でした。