イケメン侯爵様とお試し結婚!?
不安そうな表情を浮かべているアマルダ。
それを見てヴァン様は優しく声を掛けます。
「大丈夫。私の隣にいればいいですから。それに、誘いも嫌なら断ればいいでしょう」
「でも・・・」
アマルダが不安なのにはもう一つ理由がありました。
それはアマルダが、夜会等の出会いの場に行かなくなった原因でもあります。
5.6年前は、頻繁ではないもののそういった会には出席しておりました。
いつも一緒に姉のリリアと出席していたのですが、その場ではいつも容姿端麗なリリアと比べられ、影で笑われていたのです。
その分かり易い贔屓と嫌がらせに耐えられなくなったアマルダは、以後夜会等の催しには出る事はありませんでした。
今回もアマルダが人気のあるヴァン様と夜会に出る事で、自分はもとよりヴァン様になにか良からぬ噂が出てしまうのではないか、と心配していたのでした。