イケメン侯爵様とお試し結婚!?

宮中。

今日は毎月行われている定例の夜会です。
公爵家を始め、あらゆる貴族の方々が参加され、それはもう盛大に行われておりました。
煌びやかなシャンデリアの下では、派手に着飾った者達が優雅に踊り、談笑をしています。


「さあ、入りましょうか」

そうアマルダに声を掛け、エスコートするヴァン様。
アマルダは久々の夜会の雰囲気と熱気に、たじろんでいました。

しっかりしろ、私!
大丈夫、何を言われても気にしない、気にしない。
強い心を持つのよ!

ゆっくりと深呼吸をして、差し出したヴァン様の手を取り、会場へと足を踏み入れます。
ヴァン様とアマルダが中へ入ると、中で談笑していた者が一斉にこちらを振り向きました。
そして、あんなに騒がしかった会場が一気に静かになり・・・。

驚き、何も話せなくなる男性。
悲鳴のような声を上げる女性。
会場の空気が一変します。

無理もありません。
今まで人気があっても、女性をエスコートなどすることがなかったヴァン様。
そんなヴァン様の隣に、そばかす令嬢と言われたアマルダがいるのですから。
< 44 / 163 >

この作品をシェア

pagetop