イケメン侯爵様とお試し結婚!?
「はっ!!」
勢いよく上半身を起こすと、そこは見慣れたベッドの上。
どうやら夢を見ていたようです。
嫌な夢だったのか、顔には少し汗が。
心臓も驚くぐらい速く脈打っています。
なんて嫌な夢を見ていたんだろう・・・。
昨日、お姉様と会ったから?
よりによって思い出したくない過去を夢で見るなんて。
上半身だけ起こして深呼吸をしながら落ち着かそうとしていると、サティが部屋に入ってきました。
「おはようございます、アマルダ様。大丈夫ですか?うなされていたようでしたが・・・」
「あ・・。おはようサティ。ちょっと嫌な夢を見ていたみたい」
サティは心配して声を掛けてくれ、顔を拭くためのタオルを差し出してくれます。
アマルダはそのタオルで顔を軽く拭きました。
「ありがとう、サティ」
「落ち着いてからでよろしいですから、準備してくださいね」
「大丈夫よ。準備するわ」
心配をかけないように、必死に笑顔を作ります。
サティには無理をしているのがわかるのか、とても心配そうな顔でアマルダを見ていました。
「大丈夫・・・。夢なんてすぐ忘れるから」