イケメン侯爵様とお試し結婚!?
そうよ、あれは夢。
いい加減忘れなきゃ。
そう自分に言い聞かせ、気持ちを落ち着かせるとアマルダは夜着からドレスに着替えました。
軽く髪を整え、食堂へと向かいます。
「おはようございます、ヴァン様」
「おはよう、アマルダ。悪い夢を見てうなされていたとかで・・・。大丈夫ですか?」
食堂へ入るなり、ヴァン様にそう声を掛けられます。
サティに報告されたのでしょう。
アマルダは必死に笑顔を崩さずに、ヴァン様に答えます。
「え?ああ、ちょっと・・・。でも大丈夫です、ただの夢ですから」
向かいに座るヴァン様も、サティ同様とても心配そうな顔でアマルダを見つめていました。
それが、恥かしいような、居心地のいいような。
それでいて、少し申し訳ないような。
「そうですか?・・・ちょっと顔色も悪いですね。今日はあまり無理しないでくださいね」
「大丈夫ですよ、すぐ忘れます」
「もしアレだったら、今日から一緒に寝てもいいですよ?」
「・・・いっ!?」