イケメン侯爵様とお試し結婚!?
アマルダは夜会に殆ど出る事がなかったので、そういった事情を知る事はありませんでした。
そんなに人気のあるお方であれば、なにもこんな行き遅れの女など選ばなくても良いはず。
アマルダは更に不信感を募らせます。
「じゃあますます、変です。そんなに人気がある方が私に求婚など。何か裏があると思います」
「いいではないか。別に裏があろうが、お前みたいなのでも人気のある者と結婚出来るなど、まるで御伽噺だ」
・・・まったく、人の気も知らないで。
御伽噺は、本の中だけで十分よ。
人気のある人と結婚するなんて、尚更惨めになるだけじゃないの。
「とにかくだ。この話は進める。くれぐれも変な気だけは起こすんじゃないぞ、アマルダ。これ以上この家の名を汚すことだけはやめてくれ」
「ちょっ、お父様!!」
「うるさい!お前はそれまでに少しでも女らしくなるように努力しろ!!!」
そういうと、勢いよく部屋から追い出しました。