イケメン侯爵様とお試し結婚!?
アマルダにはあの事件以来この屋敷から出る事を許されず、部屋でただもんもんとしている日々。
自分の屋敷であればラフィアが協力して屋敷から出る事が出来たでしょうが、サティでは協力してはくれません。
監視するようにサティはアマルダのそばから離れませんでした。
こんな状況じゃ抜け出す事も叶わない。
このままただ見ているだけなの?
このやり場のない気持ちをどこにもぶつける事が出来ずにいたのでした。
「サティはなにか知らないの?」
「いえ、私はなにも・・・。ヴァン様はあまり外での事をお話になりませんので・・・」
「もう・・・!私このままこの屋敷で大人しくしているなんて出来ないわ!私をかばってヴァン様は怪我をしたっていうのに!助ける事も出来ないなんて!」
いらいらしながら、自分のこぶしを机にどん!と打ち付けます。
「落ち着いて下さい、アマルダ様。あなた様になにかあってはそれこそ一大事になります。ここはヴァン様の言われたとおりに、落ち着くまでは大人しくなさって下さい」
「でも・・・!」
サティは無言で首を横に振ります。
くやしい。
何も出来ない自分が。
守ってもらってばかりの自分が。