イケメン侯爵様とお試し結婚!?


コンコン。
扉をノックする音。

「・・・アマルダ、いますか?」

扉の向こうから聞こえたのはヴァン様の声でした。

「ヴァン様!!」

アマルダは開けようとするサティを押しのけて、自ら扉を開けました。
久しぶりに見るヴァン様は頭の傷は良くなった様ですが、顔は少しやつれいつもの笑顔もありません。
目の前に立つヴァン様の姿を見て、胸が苦しくなってしまいます。

「・・・すみません、ここ何日かこの屋敷から出られないようにしてしまって。暇ではありませんでしたか?」

「暇なんてこと・・・!!いえ、それよりも、怪我をしているのに無理をして!こんなにやつれてまで・・・!」

「私は大丈夫ですよ、このくらいなんてことない。それより・・・」

ヴァン様が何か言いかけようとした時、アマルダはヴァン様の身体に手を回し抱きつきました。

「アマルダ・・・!!」

「ずっと心配で、不安で・・・!何も出来くてただこの屋敷で守られている事が苦しくて・・・!ヴァン様は私の事をかばってくれたのに、助けてあげられなくてごめんなさい・・・!」
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