イケメン侯爵様とお試し結婚!?

がちゃりと扉が開き、リリアが姿を見せます。

「いらっしゃい、ヴァン様、アマルダ。ここに来るのは初めてよね。今日はどんな御用で?」

目の前に立つリリアの表情もまた、いつもの愛くるしい顔ではありませんでした。

「お姉様・・・。わかっているんでしょう?私達がなぜここに来たのか」

アマルダは扉が閉まったのを確認してから、話し始めました。
アマルダがそう話しても、リリアは表情を崩さずに答えます。

「・・・何の事かしら?私にはさっぱりわからないわ」

「しらばくれないで!もうわかっているのよ!!!」

声を荒げるアマルダに対して、ヴァン様は静かにリリアに語りかけます。

「・・・街で私達を襲った者が、あなたに雇われてやったと白状していますよ。屋敷に手紙などを送ったのも公爵夫人、あなたですね」

「・・・・・」

「やってしまった事は仕方がない。しかし、なぜこんな事をしたのか。それを知りたくて来たのです、公爵夫人」
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