俺の彼女が照れないんだけど。


「藍〜今日はありがと!
おかげで大分勉強が捗るよー」

「えへ。由莉亜からのお礼久しぶり」

「え?そうだっけ!?
(私としたことが…!なんたる不覚。)」


自分の今までの行動を悔やみながらも前を見ると、ふにゃっとした表情の藍が私を見つめていた



「う…」


うぎゃあぁぁぁ!
心臓バックバク!!

なんなのその表情はっ
一体、どこでそんな技を…


と、そこへ。


「あーいっ。帰ろーぜ」


邪魔者乱入

奴が現れたことで、
さっきまでの心臓のバクバクは急速に音を失くしていった。


「じゃあな、昴。

あ、えっと秋田さんは…あぁ、
逆方向かぁー。残念っ!」

「ぬぐぐっ」


むっかつく!!

わざと"逆方向"という部分だけを強調させて言うあたり、絶対確信犯だ。



「由莉亜、ばいばい」

「うんっ、また今度ねー!」

「…(は?"今度"?)」


仕返しに、わざと"今度"の部分を強調させて奴を見てやった。

するとあからさまに不機嫌な顔になる奴を見送ってから、私は家路へと歩き出した。
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