俺の彼女が照れないんだけど。
誰も藍の事を分かってくれないのなら藍の理解者は私だけでいいと思っていた。
藍が私だけを信頼してくれているのなら、それでいいと思った。

藍には私しかいなんだとそう思って、異常な程過保護になって。


でも、高校に入った瞬間。ヤツが現れた。どれだけ藍が冷たくあしらっても何度もすり寄ってくるひっつき虫のような男。
イケメンなのになぜか異常な程藍に執着して、私と藍の仲を邪魔するウザい男。

最初は心を閉ざしていた藍も次第に気を許していて、一年生の秋。


『あたし、暁田くんのこと好きだから付き合う』


誰にも興味を示さなかった藍が、私から離れていく。

そう考えたら、目の前が真っ暗になって。同時に、殺意にもほぼ等しい嫉妬心が芽生えた。


後から入ってきた癖にすんなりと藍の心を奪っていって悔しかった。

でもそこでやっと気付いた。
藍のことを本当に必要としていたのは私の方で。私こそ、本当に藍しかいないんだと初めて実感した。
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