まどわせないで
人通りの少ない路地裏にたどり着くと、ようやく地上に下ろしてもらえた。
圧迫されていた胃やお腹が自由になり、とりあえずホッとして、いいたかったことを吐き出す。
「如月さん酷いです! き、キスされるのかと思ったら鼻に、噛みつくなんてっ」
「あんな男にお前のキス顔見せたくなかったんだから、やむおえないだろ」
「だったらちゃんと前もっていってください。びっくりしました」
「そんな余裕あったか? 噛んだっていったって、甘噛みだ。痛くないように気を使って唇で挟んだんだから痛くはなかったろ」
「で、でもっ苦しかったです」
「わがままだな」
「わがままなんかじゃないですっ」
「なるほど。本当はキスが欲しかったのか」
「なっなんでそうなるんてすかっ違います!」
「おいで」
「……え?」
陸の『おいで』のいいかたがあまりにも優しくて、胸がときめいた。
「キス、してやる」
「いいです!」
「素直だな」
「ちっ違います! いまのは肯定のいいじゃなくて、否定のいいですっ」
「キャンキャン煩い。あいつに強烈な1発ぶちこんでやったんだからいいだろ」
あきれた顔で、面倒そうに耳を書く。
横取りするように現れた陸は、現れたときも去るときも嵐のようだった。
終始、冬里に手を出させなかった。
「同窓会、気が進まなかったわけが分かった」
ドキリとした小麦が顔を上げると、感情の読めない瞳とぶつかった。
冬里にキスされそうになったところに現れただけ?
違う。
如月さんは「わけ」といった。ということは話しを聞いていたのだ。
冬里との会話、どこから聞いていたの?
圧迫されていた胃やお腹が自由になり、とりあえずホッとして、いいたかったことを吐き出す。
「如月さん酷いです! き、キスされるのかと思ったら鼻に、噛みつくなんてっ」
「あんな男にお前のキス顔見せたくなかったんだから、やむおえないだろ」
「だったらちゃんと前もっていってください。びっくりしました」
「そんな余裕あったか? 噛んだっていったって、甘噛みだ。痛くないように気を使って唇で挟んだんだから痛くはなかったろ」
「で、でもっ苦しかったです」
「わがままだな」
「わがままなんかじゃないですっ」
「なるほど。本当はキスが欲しかったのか」
「なっなんでそうなるんてすかっ違います!」
「おいで」
「……え?」
陸の『おいで』のいいかたがあまりにも優しくて、胸がときめいた。
「キス、してやる」
「いいです!」
「素直だな」
「ちっ違います! いまのは肯定のいいじゃなくて、否定のいいですっ」
「キャンキャン煩い。あいつに強烈な1発ぶちこんでやったんだからいいだろ」
あきれた顔で、面倒そうに耳を書く。
横取りするように現れた陸は、現れたときも去るときも嵐のようだった。
終始、冬里に手を出させなかった。
「同窓会、気が進まなかったわけが分かった」
ドキリとした小麦が顔を上げると、感情の読めない瞳とぶつかった。
冬里にキスされそうになったところに現れただけ?
違う。
如月さんは「わけ」といった。ということは話しを聞いていたのだ。
冬里との会話、どこから聞いていたの?