もしもあの時…。(上)


朝支度を終え、玄関を出る…


「ごめん。光希待たせた…」

光希は、いっつも待っていてくれる。私もいつもより早く出ようとするんだけど、なぜか光希は早い…何でなんでしょうか…


でも、今日は少しおしゃれして。ピン止めを変えてみた。ショートカットの私にはそれぐらいのおしゃれしかできないから…



「お……はよ。なにそれ。ピン止めかえたの?」


「あ…うん。でも、これといつものぐらいしか持ってないからさハハっ…似合わないよね…」


え。なに無反応…ひどすぎませんか…


「んーまぁいんじゃね?」



なにそれ!いみわかんない。。かわいいっていってほしかったのに…

「だ…だよね。似合わないよね…」   

本当は…かわいいっていってほしかったのに…わかってる。光希には釣り合ってないことくらい…



「まぁ、どうでもいいから、早く乗れよ」


私は、黙って自転車の後ろに乗る。こうやって、光希の背中に顔をうずくめるの結構好きなんだよね…


「くすぐってぇからやめろ」


「あっゴメン…」

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