もしもあの時…。(上)
「…いや」
光希に捨てられても私は光希を捨てられない。捨てたくない…
「じゃぁ、俺と付き合って」
「…はい」
光希のことが好きなのに。太一と付き合う…でも、もしかしたら、光希、やきもち妬いて私のことを止めてくれるかもしれない…
そう思ったら、これは、嫉妬させるために付き合うの?もしかしたらまた、止めにきてくれる…
「じゃぁ、彩奈海いこっか」
「うん!」
私は、太一の手を引っ張った