もしもあの時…。(上)
「彩~。うちね、好きな人できたんだー。」
そういって笑う涼花はいつもかわいくて。
春の風が私たちの髪をなびいた
「え?誰よ?」
「中学の時にいた萩野くん!」
え?もしかしてあの、イケメンで運動神経よくって、あーまぁそーか、涼花かわいいもんね!でもなんで??
「彩~?………」
風が思いっきり私たちを仰いだ
涼花のこえがきこえなくなるくらい。
「ん?」
「私、萩野くんとね…」
何にも聞こえない、萩野くんとなにをしたのかもわからない
「ごめん!聞こえない。」
「やっぱ、何でもない……」
それだけは
しっかり聞こえたんだ…
そーいえば萩野くんによばれたあの日もこんな日だった…
なにもいえずすぎたんだ。