わたし、式場予約しました!
 やり遂げたこともだが。

 みんなが喜んでくれたことが嬉しかった。

 さあ、此処から慎重に、と降りようとした瞬間、

「あっ」
と何人かが声を上げた。

 トレーナーや上手い人には、その怪しい足のかけ方で、もう踏ん張れないことがわかったのだろう。

 落ちるより遥かに早く、叫び声が上がっていた。

 瑠可は豪快に足を踏み外し、クッションに叩きつけられた。

 仰向けになったまま、呆然とライトのついた天井を見ていた瑠可だったが。

 やがて、笑い出す。

「だ、大丈夫?」

 落ちたことより、その笑い方に不安を抱いたように、インストラクターや眞紘たちが訊いてきた。

「大丈夫でーす」
と返し、いてて、と打ちつけた腰を抑えて、立ち上がる。

 やり遂げたら、飲もうと思っていた夢の自動販売機にヨロヨロと向かった。

 サイダーを飲み、一息ついたところに綾子がやってきた。

「大丈夫ですか?」

「ええ。
 もうなんかすっきり。

 いろいろと吹っ切れました」
と言うと、

「待って。
 吹っ切らないでっ」
と綾子は言う。
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