わたし、式場予約しました!
「じゃあ、結婚しても、奥さんじゃなくて、私の側に居てくれる?

 子供よりも、私の側に居てくれる?」

「わかったわかった」

「駄目でしょーっ。
 そんなお父さんーっ」

「酔ってんのか、お前は……。
 お前がそうしろって言ったんだろ」

「そんなに飲んでないもん。

 佐野先輩と、二人で、ワインを二本しか開けてないもん」

「……佐野がどの程度呑んだかによるな」
と呟く。

「あいつ、そんなに強くないから」
と言うが、それは貴方基準じゃないですか、と思った。

 瑠可は、まだ眠くなったりもするが、和歩は表情も変わらない。

「おにいちゃんはさー。
 いつから、そんなになったの。

 昔は泣き虫でさ。

 よく私に殴られたりしてたじゃん」

「それはお前が妹になったからだ」

「そうなの?」

 瑠可が二度と泣かないように、と言う。

 いや、駄目だろう、この兄は、と思った。
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