愛の言葉を聞きたくて
月日が経ちお腹が目立ち始めると、ルイドは寝室にやってきて毎日お腹を撫でてくるようになった。
どうやら私には愛情は生まれないようだけれど、子に愛情は生まれたようだ。
「元気に生まれてきてくれよ、私の愛しい子」
そう言って優しく私のお腹を撫でる。中の子もそれに反応して動く。
「動きましたわ、オルーフィア様。きっと嬉しいのですよ、その言葉が」
「そうか。それならば何度でも言ってやるぞ、私の愛しい子」
"愛しい"。
その言葉を私にも欲しい。
「・・・オルーフィア様、私のお願いを一つ、聞いていただけませんか?」
でも私には言ってくれないのだから、もう言ってもいいだろう。
「なんだ?」
「もし、生まれてくるこの子が跡継ぎであるのなら、私と離縁、していただけませんか?」