Last Love
なんとなく分かった。
私が目撃したアレは、この子だったんだ。
そこで確かめ合って付き合うことになったのに、私と連絡がつかないと。
ちゃんとしないと二股になるからと。
合鍵を置いといたのだから、それで分かるんじゃないのかな。
そんなことを思っていると、「趣味わるっ」と隣から呟きが聞こえた。
その言葉は、目の前の子には聞こえていなかったみたい。
「彼女がいるのに手を出したの?」
呟きは声に出さず、睨みつけるように言う。
「人聞き悪いですよぉ。
高木さんが吉見さんに飽きたんですよぉ。だから、あたしの誘いに乗るんですぅ」
それは、分かっていたことだ。
やっぱりなと思う。
結局、私が邪魔になったんだ。
「高木さんがあんたの誘いに乗る訳ないでしょっ」
「誰でも乗りますよぉー。吉見さんよりあたしを選ぶに決まっているじゃないですかぁ」
私を見ながら、フフンと勝ち誇ったように鼻を鳴らす。