Last Love
*途切れた言葉
噂が流れて一週間、いつものように仕事をして、いつものように莉彩ちゃんとお弁当を食べるために自動販売機でお茶を買って、自分のフロアに戻ろうとした。
その時だった。
急に腕を引っ張られた。
「わぁっ」
やっぱり、私は可愛くはないのだ。
“きゃっ”なんて声は出ない。
そんなどうでもいいことを考えていると、耳元で不機嫌な声がした。
「どういうつもり?」
その声に、ビクッと肩を震わせる。
顔を見なくても声だけで誰か分かる。
もう2度と話すことがないと思っていた人。
背中からの温もりが懐かしくも感じる。
「別れたって何?」
いつもより声が低くて、顔を見なくても怒っているのが分かる。
でも、何でそんなに怒っているのか分からない。
私と別れて自由になって、あの子とラブラブしているはずなのに。