Last Love
だけど、心のどこかで期待していた。
もう1度戻れるんじゃないかって。
あの子より、私を選んでくれるんじゃないかって。
わざわざこうやって来たのだから、戻って来てくれたんだって。
……でも、期待するだけ無駄だった。
そんなこと、ある訳ないのに。
「紗希?何やってんの?早くご飯食べないと、時間なくなるわよ?」
遅くなったのだろう。
莉彩ちゃんが来てくれた。
その莉彩ちゃんの顔を見たとたん、止まっていた涙が溢れ出した。
「紗希!?どうしたの!?」
急に泣き出す私を、驚いて抱き寄せた。
慌てながらも抱きしめてくれる莉彩ちゃんに、泣きながらもさっきあったことを話した。
しどろもどろになって、自分でも何を言っているのか分からなくなる。
それでも、言葉にしたら涙が止まらない。
現実を突きつけられてしまったから。