Last Love
「紗希、コンパしよう!そんなヤツ、忘れるに限るよっ」
明るく言ってくれる莉彩ちゃんを嬉しく思う。
「ありがとう。でも、とうぶんはいらない。こんな想い、したくないから」
ありがたいけど、新しく恋をする気にはなれなかった。
まだ、完全に吹っ切れた訳でもない。
正直、吹っ切れるとも思えない。
「分かった。じゃあ、飲みに行こう。2人で。飲んで騒ごう」
「それなら……」
「早速、今日行くよ。飲んで忘れて、前に進もう!」
そんな言い方に、思わず笑みが零れる。
「莉彩ちゃん、ありがとう」
この会社にいる人は、恋に関しては敵だ。
味方と呼べるのは、莉彩ちゃんだけだと思う。
会社の人気者と付き合ったのだから、仕方のないことだけど。
だから、莉彩ちゃんがいてくれて助かった。
いるから、別れても仕事を頑張ろうと思えるんだ。