Last Love
「来てって、どこへ行くの?」
「食堂です」
「食堂?」
淡々と答える彼女に不思議に思いながらも、とりあえずついて行った。
「紗希っ」
食堂には、たくさんの人がいた。
その中に莉彩ちゃんもいた。
定時を少し過ぎた時間。
こんな時に、なぜこんなにも食堂に人が集まっているのだろう。
莉彩ちゃんが呼んだ瞬間に、一斉に私に視線が集まる。
「え?なに?」
「紗希っ」
戸惑っている私に、別のとこから声がした。
男の声のような気がしたけど、今では男に呼び捨てされるはずがない。
そう思って声がする方を見ると、見たくもない光景があった。
そこには、私の名前を呼んだ今でも愛しい彼と、その現在彼女である青山さん。
やっぱり、さっきの子はコレを見せつけるために連れて来たのか。
連れて来た子は、いつの間にか集団の中へと入っている。