Last Love
「紗希が見たのはその時のこと。脅されたから、じゃあ反応させてみれば?って言ったんだ。
見事に勃たなくて、1人で苦労していたな。
まさか、紗希に見られているとは思わなかったけど」
笑いながら言うことじゃないけど、彼は楽しそうだ。
逆に、青山さんは完全に沈黙してしまっている。
青ざめて、何も言えなくなっている。
それは、彼が言っていることが正しいということになる。
「もちろん、父親じゃないから結婚なんてしない。コイツが勝手に言っているだけ」
周りから固めようとしたのか。
だけど、結局それは上手くいかずか。
しかも、こんな大勢の前で恥をかいた形になる。
自業自得だけど。
「結局、痛い子ねぇ」
そう言ったのは、莉彩ちゃんだった。
見下したように青山さんを見ている。
それは、他の人だって同じだった。
急に手のひらを返したように青山さんを最低だと罵る。
散々、私のことを言っていたのに、都合のいい人たちだ。