Last Love
「あんたさ、その性格がダメだって分かんねぇの?
そんなんじゃ、誰も相手にしねぇよ。おとなしくおろすんだな。
それとも、本当の父親と結婚してもらったら?……まぁ、出来る相手ならオレを身代わりにしねぇか」
相変わらず、話し方がキツイ。
ただ、ニヤリと笑って言ったその言葉に、彼女の肩がビクッと震えた。
「な、何で……」
「知らないとでも思った?脅されたんだから、こっちだってカード持っとくに決まってんだろ」
そう言い放てば、彼女は友達と逃げるように去って行った。
表情は、青ざめたままだった。
それを見届けたその他大勢も、それぞれに散って行った。
残ったのは、私と莉彩ちゃんと彼だけ。
私は、いまいち頭がついていけないけど。
「紗希、ごめんな」
私の顔を覗き込むようにして謝る。
それに対して、私は首を振る。
「私こそ、ごめんなさい……」
元はと言えば、私が断ったせいで何も言えなかったんだから。