Last Love
「あのさぁ、あの女に惚れると思う?オレが惚れたのは、紗希だけだから」
油断も隙もあったもんじゃない。
なんの前触れもなくそんなことを言うから、また顔が赤くなる。
「もー、惚気かよ。
紗希が幸せならいいや。ただし、これ以上泣かせないでよ」
鋭い睨みをきかせる莉彩ちゃん。
怖いです……。
「分かっているって。
もう泣かせない。めっちゃ大事にするから」
そんなことを横から抱きしめながら言うものだから、ドキドキが止まらない。
顔も真っ赤で、冷めることがない。
「はいはい。邪魔者は退散します。2人で仲良くやって下さい」
そう言って、本当に立ち去った。
あれだけ賑やかだった食堂も、今では彼と2人きりになってしまった。
この静けさが、なんだか怖い気もするけど。