Last Love



「あのさぁ、あの女に惚れると思う?オレが惚れたのは、紗希だけだから」



油断も隙もあったもんじゃない。

なんの前触れもなくそんなことを言うから、また顔が赤くなる。



「もー、惚気かよ。
紗希が幸せならいいや。ただし、これ以上泣かせないでよ」



鋭い睨みをきかせる莉彩ちゃん。

怖いです……。



「分かっているって。
もう泣かせない。めっちゃ大事にするから」



そんなことを横から抱きしめながら言うものだから、ドキドキが止まらない。

顔も真っ赤で、冷めることがない。



「はいはい。邪魔者は退散します。2人で仲良くやって下さい」



そう言って、本当に立ち去った。


あれだけ賑やかだった食堂も、今では彼と2人きりになってしまった。

この静けさが、なんだか怖い気もするけど。




< 40 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop