Last Love
*Last Love
冷静に考えると、凄いことが起きた気がする。
地味で目立たない存在だった私が、三角関係を体験するなんて。
それも、振られる側ではなく、付き合う側だなんて。
今まででは考えられない。
「紗希……」
さっきまでのことを思い返していると、抱きしめられたまま耳元で名前を呼ばれる。
甘い声に、くすぐったくて体をよじらせる。
でも、逃げることはしない。
ここが、私のいる場所だって分かっているから。
「さっき言ったことは本当のこと。惚れたのは、紗希だけだから。
これからは、何でも話す。すれ違うことのないようにする。だから、ずっと一緒にいて欲しい」
「ずっと、一緒に……?」
「そう。ずっと一緒に」
頷くように言ってから、体を離され私の前に回る。
そして、真剣な目で私を見る。