Last Love
「吉見紗希さん」
いつも以上に真剣な目に、私は逸らすことが出来ない。
「これから先、何があっても守りたい。幸せも楽しさも悲しみも、一緒に味わっていきたい。
一生、大切にします。なので、オレと結婚して下さい」
いつの間に用意していたんだろう。
指輪まで見せて、私が返事もしていないのに薬指にはめている。
それが、言葉を真実だと教えてくれる。
「まぁ、紗希に拒否権はないけどね」
いたずらっこのように笑う彼に、私も笑ってしまう。
そんなこと言わなくても、私の心は決まっている。
「拒否はしません。でも……本当に私でいいんですか?」
「紗希がいいんだよ。オレの心も体も、紗希が満たしてくれるんだ」
その言葉だけで、私は幸せになれる。
私の、心も体も満たされていく。