Last Love
「名残惜しいんだけど、これ以上したら止まらなくなるから」
そっと離れる和くんに、私は寂しさを感じてつい服を掴んでしまう。
「紗希さん、誘ってんの?」
困ったような表情で言う。
だけど、私には意味が分からなくて首を傾げる。
「ちょこっと掴まれる仕草に、潤んだ瞳。オレの理性を壊しているとしか思えないんだけど」
そう言って、私の唇を指でなぞる。
その仕草に、私は目が離せなくなる。
「このまま……オレんちに来る?」
その問いに、自然と頷いていた。
そんな私に、和くんは少し驚いていた。
「意味、分かっている?」
私の真意を探るように聞いてくる。
自然と頷いていたけど、今までの話しの内容からそれぐらいは分かっている。
いくら初めてで何も分かっていないとはいえ、そこまで私は鈍くない。