Last Love
「私たち、結婚するんですよね?いつまでもこのままじゃダメですよ」
結婚したら、何もしない訳にはいかないから。
「確かに結婚するよ。だけど、無理にしたくはないんだ。紗希を大切にしたいから」
私の髪に優しく触れる。
こんな時まで、私優先で。
さっきまではオレ様な感じだったのに、2人になってからは少し弱気で。
そんな新しい発見をするたび、和くんが愛おしくて仕方ない。
触れていたいと思うんだ。
だからもう、怖くない。
「大丈夫です。こうやって触れていたいんです」
言いながら、和くんの手にそっと触れる。
私の手より大きくて、ゴツゴツした男の人の手。
この手に触れて欲しいと思った。
ドキドキもするけど、不安ばかりじゃないから。
「怖くないって言ったら嘘になりますけど、和くんと一緒だったら乗り越えられます」
にっこり笑って言うと、和くんに勢いよく抱きしめられた。