≪短編≫群青
chapter 1
どうして私は、今日もこの男の腕の中にいるのだろう。
「お前さぁ、昔よりエロい体になったよな」
大雅は私の鎖骨を舐め上げながら、嘲笑するように言った。
誰の所為だ。
と、言いたかった言葉は、自らの嬌声に消えた。
大雅はそんな私の反応を楽しむように、私の敏感な部分を刺激し続ける。
「もうダメ、お願い」
押し寄せてくる波に、吐息混じりにどうにか声を出すと、瞬間、大雅のモノに貫かれた。
一瞬、息ができなくて、恐ろしいほどの快楽の熱量に背中が反れる。
だけど、逃げることは許さないとばかりに、大雅の手は私の腰を掴み、打ち付けるように最奥をうがった。
「やだ、おかしくなる」
気が狂いそうになり、息も絶え絶えに必死に懇願するが、もちろん大雅がそんなものを聞き入れてくれるはずもない。
「綾菜」
名前を呼ばれ、口を塞ぐようにキスをされた。
ねっとりと絡む舌。
大雅が動く度に、その隙間から声が漏れる。
いつしか私の嬌声は悲鳴にも似たものに代わり、
「いいよ。イケよ」
大雅はそんな言葉と共に、私を絶頂の谷間へと突き落とした。
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