≪短編≫群青
呟くなり、私の首筋に顔をうずめ、鎖骨のあたりをくちゅりと吸った。
刹那、ぴりりとした甘い痛みが走る。
服で隠れるぎりぎりの場所。
「ちょっ」
これにはさすがの私も焦ったのだが、何食わぬ顔の大雅は、
「キスマーク。嘘から出た真にしてやろうと思って」
どうしてこういうことをするのだろう。
そりゃあ、確かに私は『優しくして』と言ったけど、でもそれは、恋人みたいなことをしてほしいという意味ではないのに。
じゃあ、もし仮に、冗談でも、私が大雅に付き合ってよと言ったのなら、それも『嘘から出た真』になるの?
なんて、くだらない。
どうかしてるよ、今日は、私も大雅も。
シングルのベッドで及ぶよりもさらに狭い、ソファの上での行為。
少しだけ汗ばんだ肌が密着する。
酒の匂いが、あの熱帯夜の興奮を思い起こさせて、おかしくなってしまいそうだった。
ついには声を殺すこともできなくなり、大雅の背中に爪を立ててしがみ付く私。
「お前の中、今日すげぇよ」
「あっ」
「俺もう我慢できそうにねぇもん」
「やだ。大雅、それダメ。待って」
「待てねぇよ」
ぐちゃぐちゃだった。
体も、感情も、何もかもがどろどろに溶けてしまったみたいで。
キスをしたまま、私たちは、最奥で、同時に果てを見た。
刹那、ぴりりとした甘い痛みが走る。
服で隠れるぎりぎりの場所。
「ちょっ」
これにはさすがの私も焦ったのだが、何食わぬ顔の大雅は、
「キスマーク。嘘から出た真にしてやろうと思って」
どうしてこういうことをするのだろう。
そりゃあ、確かに私は『優しくして』と言ったけど、でもそれは、恋人みたいなことをしてほしいという意味ではないのに。
じゃあ、もし仮に、冗談でも、私が大雅に付き合ってよと言ったのなら、それも『嘘から出た真』になるの?
なんて、くだらない。
どうかしてるよ、今日は、私も大雅も。
シングルのベッドで及ぶよりもさらに狭い、ソファの上での行為。
少しだけ汗ばんだ肌が密着する。
酒の匂いが、あの熱帯夜の興奮を思い起こさせて、おかしくなってしまいそうだった。
ついには声を殺すこともできなくなり、大雅の背中に爪を立ててしがみ付く私。
「お前の中、今日すげぇよ」
「あっ」
「俺もう我慢できそうにねぇもん」
「やだ。大雅、それダメ。待って」
「待てねぇよ」
ぐちゃぐちゃだった。
体も、感情も、何もかもがどろどろに溶けてしまったみたいで。
キスをしたまま、私たちは、最奥で、同時に果てを見た。