吸血鬼の翼
第1章

謎の少年



いつもと同じ朝。

美月は学校に行き普通に授業を受け、昼になれば友達と昼食を摂っている。

ツマラナイ毎日。
同じ事の繰り返し。
嫌になるくらい平和だ。

そんな毎日に美月は飽きてしまっていた。

「どうしたの?美月元気ないよ」

「ううん、大丈夫よ」

友達に気遣かわれるのは悪い事じゃない。
だけど、学校に来るのはとても億劫に感じてしまう。
人がたくさん集まるところ。
ザワメキ。
正直苦手な場所―。

逃げたいくらいに。

そして放課後になり、何時もと変わる事なく真っ直ぐに家へと帰る。

「おかえり。今日何がいい?」

母にそう言われた美月は少し考える素振りを見せてから返事を返す。

「なんでもいい。」

「美月?」

母は心配そうに美月に声をかけたが、それを尻目に階段をのぼり自分の部屋に入った。

ベッドに腰を下ろし横になる。

抜ける様な溜め息をゆっくりと吐き出す。
深く重い溜め息。

「退屈…」

そうして美月はそのまま瞼を閉じ眠りに落ちた。



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