吸血鬼の翼
「…キュルアスへ…連れて行くのよ」
漸く、観念したのかリフィアは辿々しく喋り出した。
まだ体に力が入らないらしく、床に横たわったままの姿勢で目的を口にした。
喉を圧迫された所為でリフィアの呼吸には乱れと抜ける様な息が漏れている。
小さな声も聞き逃すまいと、イクシスは無表情でその場にしゃがみ込んで話の内容に耳を傾けた。
「…その後は…?」
「…知らない…私は此処までしか聞いてない…」
紺の瞳は強くイクシスを睨み付けるが、体は小刻みに震えている。
危険だ、この少年は。
本能が逆らうなとそう言っている気がしてならない。
しかし、此方とてプライドというものを持っている以上、全てを打ち明ける訳にはいかない。
それを言わせられるのなら、きっと私は…
「……坊や、良いのかしら?私なんかに構ってて」
「……?」
話を逸らしたリフィアは力なく笑う。
それを解せないイクシスは眉間に皺を寄せた。
その反応を見たリフィアはふんと更に鼻で笑いながら口を開いた。
「…仲間がいるって言ったでしょう?そろそろ、坊やの友達の所へ遊びに行ってるのかもね。」
「……!」
美月達の身が危険だと聞かされたイクシスは一瞬、目を見開く。
しかし、それは本当に短時間の事でまた元の無表情へと戻した。
来た道を引き返す素振りもなければ、焦燥感に駆られている様子も見受けられない。
ただ、無気力にしゃがみ込んだままだ。
それに対して妙に感じたリフィアは眉を顰めた。
「……助けに行かないの?」
自分の仲間でしょう?
仲間意識の強いリフィアにとってイクシスの反応が不思議に感じた。
確かに蒼い瞳は来た方へ視線を向けているが、動こうとしない。
まさか、仲間の事なんてどうでもいいのか。
それとも、今度こそ諦めたのだろうか。
リフィアは慎重にイクシスを観察しながら、乱れた呼吸を整えた。
漸く、観念したのかリフィアは辿々しく喋り出した。
まだ体に力が入らないらしく、床に横たわったままの姿勢で目的を口にした。
喉を圧迫された所為でリフィアの呼吸には乱れと抜ける様な息が漏れている。
小さな声も聞き逃すまいと、イクシスは無表情でその場にしゃがみ込んで話の内容に耳を傾けた。
「…その後は…?」
「…知らない…私は此処までしか聞いてない…」
紺の瞳は強くイクシスを睨み付けるが、体は小刻みに震えている。
危険だ、この少年は。
本能が逆らうなとそう言っている気がしてならない。
しかし、此方とてプライドというものを持っている以上、全てを打ち明ける訳にはいかない。
それを言わせられるのなら、きっと私は…
「……坊や、良いのかしら?私なんかに構ってて」
「……?」
話を逸らしたリフィアは力なく笑う。
それを解せないイクシスは眉間に皺を寄せた。
その反応を見たリフィアはふんと更に鼻で笑いながら口を開いた。
「…仲間がいるって言ったでしょう?そろそろ、坊やの友達の所へ遊びに行ってるのかもね。」
「……!」
美月達の身が危険だと聞かされたイクシスは一瞬、目を見開く。
しかし、それは本当に短時間の事でまた元の無表情へと戻した。
来た道を引き返す素振りもなければ、焦燥感に駆られている様子も見受けられない。
ただ、無気力にしゃがみ込んだままだ。
それに対して妙に感じたリフィアは眉を顰めた。
「……助けに行かないの?」
自分の仲間でしょう?
仲間意識の強いリフィアにとってイクシスの反応が不思議に感じた。
確かに蒼い瞳は来た方へ視線を向けているが、動こうとしない。
まさか、仲間の事なんてどうでもいいのか。
それとも、今度こそ諦めたのだろうか。
リフィアは慎重にイクシスを観察しながら、乱れた呼吸を整えた。