もう一度。
運命の人
2016年4月。
桜が咲き始めた頃、私は高校生になった。
高校生になったからって何かが変わるわけじゃないと自分に言い聞かせ、冷静な態度で門をくぐった。
「おはよう」
そう言ってくれたのは友達でも彼氏でもなくとある一人の先生だった。
「お、おはようございますっ!」
何故か上手く回らない口。
こんなにも人見知りっぽい子だとは思わなかったのだろう。口を開いたまま動こうとしない。
その場にいるのも複雑な状態だったので、私は足早に玄関へと向かった。
走ってないのに大きい音を鳴らす心臓。
涼しい風を浴びているはずなのに火照る顔。
何かがおかしい。と思った。
…もう一度あの先生の所へ戻ってみようかな…
だが、その思考も入学生を案内するため大声を張り上げた先輩に消し去られた。
波にのって向かった先は体育館。
すでに多くの人でごった返していたが、席が用意されているのでとりあえず座る。
すると私に合わせて他の子も座る。
気恥ずかしくて立とうとしたが入学式はもう始まろうとしている。
私は大人しく席へと座った。
桜が咲き始めた頃、私は高校生になった。
高校生になったからって何かが変わるわけじゃないと自分に言い聞かせ、冷静な態度で門をくぐった。
「おはよう」
そう言ってくれたのは友達でも彼氏でもなくとある一人の先生だった。
「お、おはようございますっ!」
何故か上手く回らない口。
こんなにも人見知りっぽい子だとは思わなかったのだろう。口を開いたまま動こうとしない。
その場にいるのも複雑な状態だったので、私は足早に玄関へと向かった。
走ってないのに大きい音を鳴らす心臓。
涼しい風を浴びているはずなのに火照る顔。
何かがおかしい。と思った。
…もう一度あの先生の所へ戻ってみようかな…
だが、その思考も入学生を案内するため大声を張り上げた先輩に消し去られた。
波にのって向かった先は体育館。
すでに多くの人でごった返していたが、席が用意されているのでとりあえず座る。
すると私に合わせて他の子も座る。
気恥ずかしくて立とうとしたが入学式はもう始まろうとしている。
私は大人しく席へと座った。