ラストボーイ
再会
「おはよぉ~。」
「何回も起こしたんだからね。ちゃっちゃと顔洗って来なさい!愁ちゃん帰ってくるんだから。」
「うんっ。え?しゅ、愁ちゃん?!愁ちゃん帰ってくるの?!」
「さっき言ったでしょう?転勤終わったから日本に帰ってくるのよ。」
えっぇっぇええぇっぇえ?!?!
「い、いつ?!本当に?!」
「今日よ。芽生の学校に入学できたから今日学校にも行くって聞いたわ」
「そ、そんなぁ!早く言ってよママ!あたし今日ご飯いらないっ!起こしてくれてありがと!」
「あらあら♪随分嬉しそうね?」
あったりまえでしょ?!
愁ちゃんか帰ってくるんだもん!
あたしの名前は時田芽生(ときためい)。
4歳の時にパパを亡くして、
今はママとふたりで暮らしてる。
愁ちゃんとは幼馴染みで、
小学校六年生の時に親の仕事の都合で、
愁ちゃんはアメリカに行った。
そんな愁ちゃんが今日日本に帰ってくる!
あたしは腰まである栗色の髪をとかし、
桃色のリップをして駆け足で学校に向かった。
できる限り全速力で走った。
走ってる最中に小さい頃の思い出が沢山頭をよぎった。
困った時必ず愁ちゃんが助けてくれて、
泣いてる時必ず側にいてくれて、
楽しい時も嬉しい時もずっと愁ちゃんがいた。
もちろんアメリカに行くって聞いた時は、
悲しくて寂しくて孤独だった。
でも愁ちゃんはあたしに、
「絶対帰るから芽生のとこに。」
そう約束してあたしは見送った。
あれから4年が経った。
愁ちゃんは変わってるかな?
早く会いたい!話したい事が沢山あるよ!
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