ラストボーイ
相変わらず歩くの早いんだからっ!!
普通待っててもらったんだから、
ありがとうとごめんの一言位あるでしょっ!
「ん、なに?」
「べっつにー!!」
もう絶対迎えに行かないもんっ!!
愁ちゃんのばかばかばかっ!
外履きを脱いで自分の下駄箱を開けた。
ん?なんだろ。これ。
白い紙が1枚。
あたしの下駄箱に入っていた。
見覚えもないし、昨日までは無かったのに。
「なんだろ。」
紙は綺麗に二つ折にされていて、
うっすら何か文字が透けているように見えた。
あたしの所に入ってたんだし・・・・・
見ても特に問題はないよね。
だけど
あたしはその紙を開いて言葉を失った。
黒くて芯が擦り切れるような、
まるで怒りと憎しみが込められたような字で、
"今すぐきえろ"そう書いてあったから。
なにこれ・・・・・。
「芽生ー。」
愁ちゃんの声であたしは咄嗟にその紙を隠した。
まだあたし宛かも分からない。
間違いかもしれない・・・・・。
でも変な胸騒ぎがあたしの中に芽生えた。