ラストボーイ
俺は無我夢中で芽生を探した。
まだそんなに時間は経ってねーのに、
あいつどこ行ったんだよっ・・・。
気付けば辺りは暗くなっていて、
騒がしかった街も静かな夜の街に変貌した。
荒くなった息を整えるように、
俺はただ芽生の事だけを思って空を見上げた。
昼間とは違う景色に星が踊る。
いつかもこんな空を見た。
"大きくなったら僕が芽生ちゃんを守るよ"
まさか・・・。
そう思った時には俺の足は勝手にその場所に向かっていた。
「芽生・・・。」
あいつがあの日泣いてた場所。
芽生の親父が死んだ日、
あいつは独りでここにいた。
小さな肩を震わしてた芽生がそこにはいた。