ラストボーイ
壁には7階の文字。
やっぱり階段はきついっ‥‥。
プール‥‥プール‥‥あっちかな?
それにしても校外学習で、
こんなに良いホテルなんて、
あたしの学校も結構贅沢してるなぁ‥‥。
部屋も綺麗だし♪
お風呂は大きかったし♪
これが1年に1回だなんて贅沢すぎ!
‥‥なんて考えながら勇志くんが待つプールに向かってたんだけどあたしは足を止めた。
「誰もこないよ~♪」
「はぁ?無理。」
黄瀬さんと‥‥愁ちゃんがそこにいたから。
あたしの体は自然と気付かれないように、
壁に張り付いていて、
2人の会話だけが聞こえる。
「ねぇ愁ってばぁ~1回でいいから。」
猫なで声ってこの事だろうと思った。
ここにいちゃいけない気がする‥‥。
勇志くんにはメールして場所を変えてもらおう。
「‥‥なら1回な」
ポケットから携帯を取り出して、
2人に気付かれないようにメールをしようとした指が止まった。
あたしが2人を見た時‥‥
愁ちゃんは黄瀬さんにキスしてたから‥‥。