ラストボーイ





どうしよう・・・はぐれちゃった。




さっきまでそこにいたのに、礼ちゃんどこにいるのっ。







こ、こうゆう時は電話っ!





あたしは礼ちゃんに電話をかけた。



この騒音の中着信音に気付いてくれる訳もなく断念。






迷子になったら動かず待機っ・・・・・!!


きっと愁ちゃんが迎えに・・・こないか。





黄瀬さんがいるもんね。



もう、なんであたしってば愁ちゃんばっかり頼ってるんだろ。







人に押されながらあたしは人気が少ない神社の鳥居下に腰をおろした。




いつ電話がくるか分からないから右手に携帯を握り締めて。








「ねぇキミひとり?」







あたし?





声をかけてきたのは明らか年上であろう男の人。



知らない人に話しかけられても無視っ!!






「可愛いね!一緒に花火見ない?」







なんであたしが見ず知らずの人と花火見なきゃいけないのっ?!




こ、これってナンパってやつ?!
どんだけ不謹慎なのっ!?






「ごめんなさい、友達待ってるので。」







あたしはそれだけ言って、
その場を離れようとした。






「ちょっとちょっと待ってよ~!」




その男の人に肩を掴まれた。






「あのっ離して・・・」





あたしが声を荒げようとした時、
後ろから手が伸びてきてあたしの首には腕が回っている状態。






勇志くん?





「やめてもらえる?」






勇志くんがそう言い放つと男の人は眉間に皺を寄せて口に入ったガムを吐き捨てた。






「だれ?きみ」






「俺?この子は俺の彼女」




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