ラストボーイ
「くっそ‥‥嬉しい‥‥‥‥やべぇ。」
愁ちゃん‥‥。
それは初めて見る愁ちゃんの弱々しい姿。
いつも余裕たっぷりな愁ちゃんとは思えない位に。
あたしは小さくなった愁ちゃんが愛しくなった。
「幼なじみだから、絶対芽生は俺の事そんな風に見てないっ て思ってた。」
「見てるよ。ほらっ。」
そう言ってあたしが愁ちゃんの前にしゃがむと、
勢いよく腕が伸びてきて愁ちゃんに抱き締められた。
「っ‥‥‥‥ちょっ、愁ちゃん?!」
さっきよりも強く腕に力を入れた愁ちゃんは、
あたしにしか聞こえない位の声でこう言った。
「もう絶対泣かせないから。」