ラストボーイ
急に芽生が可愛く見えて仕方ない。
普段からくそ可愛いんだけど‥‥より一層。
屋上で芽生が話してくれた事は、
多分この先一生忘れない。
芽生があんな風に思ってくれてるなんて知らなかった。
てっきり俺は諦めようとしてたし。
でも顔を赤くしながら、
必死に伝えてくる芽生が愛しくて仕方なかった。
あんな顔、絶対他の奴に見せたくない。
「うしっ、後は芽生の鞄だけ‥‥か。」
俺は自分の鞄を肩にかけて、
芽生の荷物を取りにA組に向かった。
カッ‥‥カッ‥‥‥‥カッ。
教室からは黒板にチョークを当てる音が外まで聞こえた。
皆まだグランドにいるはずだけど誰か残ってんのか?
ガラッ。
俺が教室の扉を開けると、
さっきまで聞こえてた音も同時に消えた。
「なんだ‥‥残ってたんだ?」