ラストボーイ
「お前がそれでどうすんの。誰が芽生ちゃん守るんだよ。」
少し低くなった勇志の声は、
いつもの冷静で優しい勇志とはまるで違う。
「それに無力なんかじゃねーよ。
すげぇよ。小さい時からずっと好きで、
数年間離れててもずっと想ってやれるってさ。
芽生ちゃんの事、
大事すぎて愁は自分を責めすぎなんだよ。
お前が悪い訳じゃないだろ。
まぁ俺が知らない芽生ちゃんの辛い過去とか、
色々見てきた愁からしたら、
今の芽生ちゃんを見るのはしんどいかもしれねぇ。
けど、芽生ちゃんだって同じだろ。
お前が気付いてないだけで、
自分のせいで愁を苦しめてるって思ってんじゃねぇの?
少なくとも俺はお前だから諦めたんだし、
俺にも失礼だぞ、それ。」