ラストボーイ
ほんのちょっと前まで暑かったのに、
もう肌寒い。冬かぁ‥‥。
芽生の家の前に来ると、
俺は無意識に深呼吸をしていた。
インターホンを押したが応答がない。
そっと門を開け、
玄関のドアノブを引いた。
「‥‥戸締まりしてねぇし。」
そうか、おばさんはパートか。
って事は家にいるのは芽生だけ‥‥?
尚更、あぶねぇじゃん。
俺は小声で「お邪魔します」とだけ言い家に入った。
不法侵入になるのかどうなのか一瞬考えたけど、
芽生を1人にしておけねぇし仕方ない。
「‥‥‥‥愁ちゃん‥‥?」
リビングから顔を出したのは芽生だった。