ラストボーイ
久しぶりに会った芽生は、
少し痩せたのか顔色も悪かった。
「わり。鍵開いてて応答ないし入った。」
芽生は「そっか。」と苦笑いをして、
それ以上何も聞く事なく俺をリビングに招いた。
「愁ちゃんコーヒーでいい?」
「ん。」
きっと普通に接してるつもりなんだよな。
けど普通なんて思えねーよ。
立ってるのもしんどいのか、
何かする度に左手は体を支えるようにどこかに掴まってるし。
きっと何も食ってないんだろ。
「はい。砂糖二つ入れたよ。」
俺の前に出したカップは、
カタカタと震えてテーブルに置かれた。
芽生は俺の前に座って、
煎れたコーヒーを口に運ぶと俺の顔を見た。